『スマホで馬鹿になる』 和田秀樹

スマホのしすぎは学力に影響を与えるばかりでなく、のめり込んでしまうと1日15~16時間没頭するようになるという。メディアでは取り上げられることの少ない依存症

としての危険性を精神科医の立場から解説してくれた著書。

依存症に関しては日本人全体が甘く見ているところがあるという。私自身も「その気になりさえすれば、いつでも止められるのでは」と思ってしまうが、そう考えるのは誤解

です。依存症は意志を破壊する病気なのです。自転車に乗りながらスマホの画面にくぎ付けになっている人を見ると、ついスマホを操作しているのではなくスマホに操作され

れいるといっても過言ではないと思ってしまう。

勉強ができれば成功できるという保証はなく、成功者になれなくても性格のよい子に育てばよいではないかともつい思ってしまうが、現実としては「貧富の差のバックにある

のが能力の差」である知識社会では、勉強経験の乏しい子どもたちが、終身雇用崩壊後の社会にそれなりに適応して生き延びていくことも困難になってきているのかもしれな

い。大人になってからの依存症であれば自己責任で片づけてしまってもよいと思うが、子どもに対しては周りの大人が見守ってあげねばならず、スマホに使われて学習の機会

を奪われ将来を奪われないようにと警鐘を鳴らす。

最後に結びの一文を紹介

大切な子どもの将来がかかっているばかりか、日本の将来もかかっているのですから親はこころを鬼にして子どもをスマホ依存から守ってほしいと思います。

少なくとも依存症のリスクがあることを知っておくためには参考となる一冊かもしれない。