読書メモ

青柳貴哉(あおやぎたかや)著『Z世代のネオホームレス』を読んだときのメモ

著者は吉本興業に所属していたことがあるYouTuberで「アットホームチャンネル」を運営しているらしい。 社会状況をフォローしておこうという単なる好奇心からか、キャッチーな題名だったからか本書を読んでみた。 まず、「トー横」ってどこなのかBingってみ…

『AI新世 人工知能と人類の行方』小林良太、篠本滋、甘利俊一(監修)

AIはどのように活用されているのだろうか? AIの理論や最前線よりは、今、どのような活用されているのかというという点に関心があって「現代人必読の書」を繙いてみた。 機械学習については今まで目的やどのような応用対象に目をつけるのかが難しいと感じて…

『人生を考える英語ー名言・迷句このひと言196』杉田敏

本書は最長寿の語学番組と言われる「やさしいビジネス英語」「実践ビジネス英語」の講師を勤めた著者による英語の名言集で、基本的には金言名句を集めたものであるが、「迷句」も含まれている。私はどちらかちうと「迷句」の方が気に入ってしまったが、本書…

『安いニッポン「価格」が示す停滞』中藤玲 (c)2021

港区の年平均所得1200万円はサンフランシスコでは「低所得」 港区の年平均所得1200万円はサンフランシスコでは「低所得」に分類されるらしい? 「低所得」に分類されたことも驚きだが港区の年平均所得1200万円ということの方が私にとっては驚きで…

『賃労働の系譜学』今野晴貴~社会のヘゲモニーの変容

すき家でのワンオペ中での死亡事故の記憶がまだ新しいときに、すかいらーくグループのプレスリリースに「ハラスメントに関する報道について」というのを目にした。 (プレスリリース一覧 2022年07月22日) https://corp.skylark.co.jp/Portals/0/ima…

『社会保障と財政の危機』鈴木亘 (c)2020/11

本書を読むと、日本は将来世代にツケを回すことを改めることのできない国なんだなぁと思ってしまった。 まず、はじめに、ここでの記述は本書だけに依拠したものであり、本書の読解でもミスや誤解があるかもしれないことを断っておきたい。本書では、コロナ禍…

『「年金問題」は嘘ばかり』高橋洋一 (c)2017 

「ダマされて損をしないための必須知識」という副題を持つ本書のメモ「年金は危ない」説は危機意識を煽ることで利益を得られる人々があり、利益団体にとっての「打ち出の小槌」のようなものだという。 ・財務省は消費税増税 ・厚労省は利権と天下り先 ・投資…

『社会保障亡国論』鈴木亘 (c)2014

本書の発行は2014年なので、以下、数値などに関しては当時のものである。 暗黙の債務は1500兆円 国民年金と厚生年金とを合わせた年金純債務が800兆円に達していた。(2009年) 現在の高齢者が現役であったときに徴収された保険料を積み上げら…

【労働市場改革】『働き方改革の経済学』矢代尚宏

日本の人口ピラミッドは正に逆ピラミッドになりつつある。 https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=G02-01-2.png この年齢構成で終身雇用的な年功賃金を維持するのは無理筋であろう。日本で定年制を廃止できないのは「仕事…

『シルバー民主主義』八代尚宏 ー 高齢者優遇をどう克服するか

日本の人口ピラミッドは正に逆ピラミッドになりつつある。 https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2022.asp?fname=G02-01-2.png この年齢構成で賦課方式の年金を維持するのは無理筋であろう。公的年金の受給権は、国に対する債権であるが…

『正しく知る地球温暖化』赤祖父俊一 (c)2008 アラスカ大学国際北極圏研究センター初代所長からの挑戦状

アラスカ大学国際北極圏研究センター所長、地球電磁気学や北極圏研究における世界的権威と言われる赤祖父俊一氏による「(人為的)地球温暖化論への挑戦」。 どうも現在は「小氷河期」(little ice age)からの回復過程にあり、1800年頃から温暖化傾向にあ…

『地球温暖化論への挑戦』薬師院仁志 とある社会学者の無謀な?挑戦

今日でも「二酸化炭素の排出削減」がまくら言葉のように使われているような気がするが、懐疑論の本が次々と出版され始める前の2002年に早々と発行されている本である。 懐疑論の嚆矢となる本書を再び繙いてみた。 われわれの周りでは、新聞、テレビ、雑誌、…

『地域分散型エネルギーシステム』植田和弘(監修)

「ベースロード電源」は死語となるのか? 以前のブログ 『精神論ぬきの電力入門』(新潮新書)澤昭裕 - willwealth’s diary で、ベースロード電源としてもっと発電効率が高い石炭ガス化複合発電(IGCC)に注目してもよいのではないかと書いた。 しかし、どう…

『原発はやっぱり割に合わない』(大島堅一)も読んでみよう!なぜ、【再処理】依存症になってしまったのか?

原子力発電は最も高い電源 原子力発電は事故を起こさなくても「最も高い電源」らしい。p106 原子力は、政策費用を含めれば、最も高い電源です。 p107 表4-1 電源別の政策費用 研究開発費用 立地対策費用 合計 原子力 1.46 0.26 1.72 火力 0.01 0.03 0.04 一…

『太陽光発電の卒FIT入門』本橋恵一、船津寛和

「卒FIT」が始まっている 固定価格買取制度(feed in tariff)、FITを卒業するすることを「卒FIT」と呼ぶらしい。 買取期間終了後も電力会社が買ってくれるが価格は1kWhあたり10円以下と安くなってしまう。 一般家庭の電気料金は1kWhあたり約25円なので、売…

『原発事故最悪のシナリオ』石原大史(ひろし)

使用済燃料プールは脇役かと思っていたが、「最悪のシナリオ」の主役のモンスターであったとは知らなかった。 本書を読むと「原発事故最悪のシナリオ」を回避できたのは、“偶然”が寄与していたという思いにとらわれる。もし福島第一原発4号機のプールが空焚…

『原発のコスト』(大島堅一)を原発「安全神話」の立場から読んでみよう!

「安全神話」の立場から「原発のコスト」について本書に依拠して考えようとしてみたことをメモしておこう。 前提 政策コストは無視 まず、 【政策コスト】 ・技術開発コスト ・立地対策コスト は考慮しない。 補助金、給付金の類は所得分配と解釈し、公平、…

『精神論ぬきの電力入門』(新潮新書)澤昭裕

『精神論ぬきの電力入門』(新潮新書)澤昭裕原発の維持・撤廃にかかわらず、原子力関連の人材と技術は、今後何十年にもわたって維持し確保していかなくてはなりません。 p118 たとえ今すぐ原発を停止させても、当面は発電所や原子炉は存在し続け、使用済燃…

『憲法改正とは何か』阿川尚之

『憲法改正とは何か(新潮選書)』阿川尚之〈国のかたち〉は改憲してもかわらないこともあり、改憲しなくても変わってしまうことがある。 婦人参政権の発効は1920年と改憲史の中ではそれほど古くはない。両性の平等をうたう平等権利条項が両院を通過した…

『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略(PHP新書)』遠藤誉

『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略(PHP新書)』遠藤誉 ウクライナでの戦況に関するニュース記事はよく目にするが、どのような背景があるのか知ることができなかった。 ネットには断片的には情報は存在するようだが検索するのも面倒だったので調べ…

清谷信一『防衛破綻』「ガラパゴス化」する自衛隊装備

著者は防衛産業の分析には定評があるらしく、本書でも我が国の防衛産業の基盤を維持したいという思いから、防衛省、自衛隊、防衛産業に対して厳しい分析を提示する。 2010年の発行なので現在の状況は異なってきているかもしれないが、「見栄えのいい兵器…

『途上国化する日本』戸堂康之

「日本経済がこの20年の長きにわたって停滞しているのは、技術進歩や生産の効率性の改善が停滞しているからで、そしてそれは日本経済の閉鎖性に起因している。」という。 1990年以降、日本の生産性はほとんど向上していないのは、 これは、おそらく英…

『”悪夢の超特急” リニア中央新幹線』 樫田秀樹

電力融通のニュースに触発されて樫田秀樹(著)『”悪夢の超特急” リニア中央新幹線』を再び読んでみた。 なぜかというと以前、本書を読んだときは、「リニア新幹線は大量の電気を必要とする」という記憶というか印象を抱いたからだ。だが、その後、リニアの…

『未来を生きるスキル』(角川新書)鈴木謙介

『未来を生きるスキル』(角川新書)鈴木謙介 著書の中でリクルートワークス研究所の調査データを紹介して、現状分析している箇所がうまい表現で分節化されていて興味を引いたので、ほぼ引用だけだがメモしておく。生涯学習の呼び声を聞いてから久しいという…

『コールダー・ウォー』マリン・カツサ(著)、渡辺惣樹(訳)

ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争は"The Colder War"(邦訳では「超冷戦」)と呼ばれる。金本位制の下ではドルは金と兌換できることが価値の担保であったが、金本位制廃止後はドルは石油を購入できること、或いはエネルギー資源取引の標準通貨である…

『過労死ゼロの社会を』高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか

高橋まつりさんの母親の高橋幸美さんと代理人である川人博氏とが様々な場で発言してきたことをまとめ、社会に向かって訴えたいことを加筆して一冊の本にした本書を読んだ時のメモを記録しておこう。 ただし、過労自殺にまで至る過重労働やパワハラの実態につ…

『なぜ日本企業は勝てなくなったのか』(新潮選書)太田肇

日本の労働生産性はなぜ低空飛行を続けるのだろうか? 日本では働く人が組織や集団から「未分化」であるため、一人ひとりの意欲と能力を十分に引き出せていない。過労死、過労自殺の問題を組織という観点から考えてみるべく本書を繙いてみた。近年の組織的不…

『過労自殺(第二版)』川人 博

電通の女性新入社員の過労自殺から5年が過ぎ、母の高橋幸美さんは取材で「過労死問題で風化を感じています」と懸念を述べている。仕事が原因で命を絶つ人は19年も約2千人いたことを指摘していたが、 (参考)以下の9ページ https://www.npa.go.jp/safetyli…

『ブラック霞が関』千正康裕(せんしょう やすひろ)

ブラックな組織が存在するのは民間だけではないことを本書で知った。著者は元厚生労働省キャリアで、異常な長時間労働、相次ぐ休職や退職、採用難など崩壊寸前の状況を訴える。組織の限界に達し、業務を回すことすら難しくミスが発生しやすい状況になり、ミ…

『日本が売られる』堤未果:LINEに関してだけ

最近、なにかとLINEが話題になっているので本書の主題というよりは周辺的になるが、LINEに関する箇所を少し紹介したい。(本書は2018年の出版)LINEの親会社は韓国企業ネイバー社(株式の6割以上は欧米巨大グローバル金融企業の所有なので…