『太陽光発電の卒FIT入門』本橋恵一、船津寛和
「卒FIT」が始まっている
固定価格買取制度(feed in tariff)、FITを卒業するすることを「卒FIT」と呼ぶらしい。
買取期間終了後も電力会社が買ってくれるが価格は1kWhあたり10円以下と安くなってしまう。
一般家庭の電気料金は1kWhあたり約25円なので、売るのがもったいないくらいだ。
2019年度の買取価格が24円というから、これはもう実質的にFITは終了しているのではないだろうか。
などと書いていたら、FIP(Feed-in Premium)なる制度が既に始まっているではないか!
どうも、固定価格ではなく変動する市場価格にちょっとプレミアムを上乗せして買い取る制度のようだ。
しかし、事業者向けのようなので一般家庭は関係ないのかな。
再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁
家庭用蓄電池が売れている
最近、家庭用蓄電池が売れているらしいが、これは経済的な理由からではなく主に防災、停電対策だとのこと。
では、今、いくらぐらいするのだろうか?てきとうにググってみたところ
【2022年版】家庭用蓄電池の価格/値段の相場!補助金やおすすめメーカー/商品もご紹介 | リフォーム費用の一括見積り -リショップナビ
約80~200万円。容量が10kWh未満であれば、160万円以下。
まだまだ、結構なお値段だ。
そして、性能や寿命まで考慮すると私のような素人には評価するのは難しい。
https://ecodenchi.com/post-3889/
印象では、人気のTeslaやパワコンで強いHUAWEIあたりが注目か。
いずれにせよ、寿命が10年程度なので経済的には投資を回収するのは難しいと思うのだがどうなのだろう?
ならば、保険、安全保障と割り切ってしまおう。
「仮想蓄電サービス」が提供されている
- 仮想蓄電サービス
- 家庭の太陽光発電余剰電力を、小売電気事業者が、昼間にあたかも一旦「預かった」とみなし、夜間にそれを供給しているように「みなす」仕組みのこと。
蓄電池やエコキュートのリースを伴うセットプランもあるらしい。蓄電池はリースがリーズナブルな気がする。
東京電力エナジーパートナーの「電気のお預かりプラン」
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT)による買取期間満了後の余剰電力買取りについて|プレスリリース|東京電力エナジーパートナー株式会社
V2H、電気自動車を蓄電池として使う
メーカーによっては、蓄電池とセットとなったシステムを提案しています。
これは、日中に太陽光発電の電気を蓄電池に充電し、夜間に帰宅した電気自動車への充電を可能としたシステムです。
家庭用太陽光発電の自立運転機能はハードルが高い?
「自立運転機能」と聞くと、停電時でも普通に電気が使えるようなイメージを抱くが、そうでもないようだ。
p94
しかし、何もしないで自動的に自立運転機能を使えるわけではありません。
自動運転モードに変更するには原則として、次のような「手動操作」が必要となります(蓄電池併設のシステムの場合には、原則、手動操作は不要です)。
更に、
注意しなくてはいけないのは、自立運転モードに切り替えた後に、部屋のコンセントからそのまま電気を利用できるわけではないということです。
あくまでパワコンに内蔵されたコンセント一つだけが使用可能となります。
一般的に、太陽光発電のパワコンは、居間などから離れた場所に設置されることが多いため、あらかじめ長めの延長コードを準備しておくとよいでしょう。
具体的な「手動操作」については、本書を参照してほしいが、非常時だけに行う操作を正しく行えるかどうか怪しい。
蓄電池併設のシステムなら手動操作は不要だが、使用可能なのがパワコン内蔵のコンセントだけなら使い勝手は悪い。
太陽光発電パネルの廃棄問題
今のところ、大きな問題にはなっていないが、事業用の太陽光発電設備が寿命を迎える2030年頃から、大量に廃棄されていく。
まだ太陽光発電パネルの処分方法が確立していないというから、処分やリサイクルするための技術が開発できるかにかかっている。
などと書いていたら、環境省は使用済み太陽光パネルを再資源化の義務化を検討に入ったとのニュースを目にした。
検討し始めた段階なので、本当に義務化されるのか努力目標となるのかは分からないが、
埋め立て処分場の逼迫が懸念される状況にあるならば、最終的には建設リサイクル法の対象品目に追加されることになるのではないだろうか。
メーカーには、たとえ変換効率を犠牲にしてでも、リサイクルしやすい環境配慮設計の製品を提供してくれることを期待したいが、
どうしたって埋め立て処分場も枯渇性資源であり、地域分散型エネルギー社会と循環型社会との両立させる道のりは、まだ、まだ遠そうだ。
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