給付金誤送金事件って法律的にどうなのだろう?

山口県阿武町での給付金誤送金事件について考えてみた、というか疑問を整理しようと思ってメモする。

法律に関してはズブの素人なので以下の「Legal-Life Lab.」記事を参考にした。
差し押さえられるような財産が何もない場合も、強制執行されるの? | リーガライフラボ
しかし、「ズブの素人」なのでよく理解できなかったことを白状しておく。

疑問点は整理しておこう。

不当利得返還等請求事件は被告が争うことはないだろうから債権者は勝訴することになるだろう。
このとき、債権者は確定判決という「債務名義」を取得するという。
あまり聞きなれない表現であるが、債務者の財産差し押さえができるようになると解釈した。
疑問は「債務者に何の財産もない場合に強制執行できるのか?」ということになる。
つまり全くの他人名義の口座に送金していた場合、その口座の預金を差し押さえることはできるのだろうかという疑問である。

「仮差押え」と言って、裁判官が認めた場合に「債務名義」がない状態でも債務者の財産を仮に差し押さえることができる場合はあるという。
しかし、今回の場合はすでに他の口座に移していると推測される。
債務者名義の口座であれば差し押さえはできるだろうが、もし他人名義の口座である場合に「仮差し押え」はできるのだろうか?
それとも、その「他人」に対しても訴訟を起こす必要があるのだろうか?

差し押さえを逃れるために、預金をすべて引き出すなどということをすると「強制執行妨害目的財産隠匿罪」(刑法96条の2)という犯罪になるが、
「債務名義」を取得する前に他人名義の口座に送金していた場合にも隠匿罪に問われるのか?
訴訟が起こされる前なので隠匿罪にあたらないような気がする。

実名の公表もどうなのだろう?

わからない。

ウクライナ戦争の最中に起きた今回の事件は基本的に金銭的な問題なので金銭的に丸く解決されることを期待したい。

2022/5/17 追記
「半分弁償して執行猶予をとりにいく案件になるのでは」との見方も。
news.yahoo.co.jp
弁護士が会見を行っているようで、金はすでに使いきっているとのこと。
『第三者からの情報取得手続』という制度があるので、この制度で取得できる情報の中には「預貯金に関する情報」があるので果たして逃げ切れるのだろうか?
やはり丸く収めてほしいところなのだが。